地面反力からみた野球のティーバッティング

強く打つためには打者は地面反力を利用して得られる身体の運動量をバットに伝えていく必要があります。

また、投手の投げたボールをより強く打つことが重要になります。

スイング速度と打球速度は、バックスイング期(後ろに引く)における打球と反対方向への身体重心移動距離の身体重心総移動幅に対する割合に関わりがあることが認められています。

スイング速度と打球速度は、フォワードスイング期(前へ出す)の身体重心移動距離のうち最初に構えていた重心位置より球に近い部分の総移動幅に対する割合に関係があること認められています。

スイング速度とスイングタイムの間にも関係があることが認められています。

(スイング速度:バックスイングからフォアードスイングへの切り替え時点からインパクトまでの時間)

実際のバッティングにおいて、スイングタイムが短いことは、ボールが投手の手から放たれてから決断までの時間が長くとれるので、ミートポイントの予測の正確性につながるといわれています。

今までの報告によると、大リーグの有名な打者は、平均的な打者に比較してスイングタイムが短いとのことです。

このことから好打者の条件として、スイングタイムが短く、しかも、スイング速度が速いことが挙げられています。

また、打者は体重移動を有効に利用してバットのスイング速度を獲得し、それをボール速度に変換させようとしています。

打者はバックスイング期には、構えた姿勢から身体を打球方向と反対に移動させ、このときにバットを引く動作を行い、それからフォワードスイングに移行します。

打者はバックスイング期に、わずかに身体をスイングと反対方向に回転させ、この時に身体重心を打者の前面に加速させる地面反力が観察されたとの報告があります。

バックスイング期において、打球と反対方向の身体重心移動距離の全移動幅に対する割合が大きい打者はスイング速度および打球速度が大きいとの報告があります。

身体重心を打球方向と反対方向に移動させるのは、フォワードスイング時に身体重心を打球に加速させるための準備動作であり、加えて、バットを打球方向と反対に引くことで、スイングに参加する筋群を引き伸ばす効果をもたらすと解釈されています。

また、フォワードスイング期において、最初の構えた位置からインパクト時の位置までの身体重心移動距離の全移動幅に対する割合が大きい打者は、スイング速度および打者速度が小さいです。

インパクト直前ではバットのヘッドの並進速度が急速に高くなるとのことです。

すなわち、インパクトの直前では、バットの回転運動の角速度が急速に高まるものと推測されています。

最初の構えた位置からインパクト時の位置までの身体重心移動距離の全移動幅に対する割合が大きい打者は、インパクト時の位置までの身体重心移動距離の全移動幅に対する割合が大きい打者は、スイング速度および打球速度が小さいです。

野球ベクトル

スイング速度の変動係数とバックスイング期の上軸方向の地面反力ピーク値と地面反力の上方向分力の重心に対する平均パワーのそれぞれの変動係数との間に関わりがあると認められています。

また、打球速度の変動係数と地面反力の上方向分力の重心に対する平均パワーとの間にも関わりがあること認められています。

この結果から、速いスイング速度(打球速度)を獲得するには、バックスイング期の最後(フォワードスイングの直前)に、身体重心を打球方向と反対でしかも腹の方向に移動しておく必要があることが示唆されています。

また、正確な打撃のためには、身体の上下方向の調節が関与することが示唆されています。

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