大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)

アスリートの股関節痛のほとんどの原因が関節内病変であることが最近の臨床研究で解明されてきています。

その関節内病変の中でも、大腿骨寛骨臼インピンジメント(以下、FAI)は股関節唇損傷を伴い、股関節痛を引き起こす病態です。

FAIは、大腿骨頭から頚部のオフセットのCAM impinjement(CAMはオランダ語で出っ張りの意味)、寛骨臼蓋の骨棘や形態異常によるPincer impinjement(Pincerはフランス語で、はさまるの意味)からなり、これら二つが合併していることが多いです。

これらが衝突することにより、次第に臼蓋縁に付着している関節唇損傷をきたし、さらに軟骨損傷が引き起こされ、股関節痛の原因となると考えられています。

ランニング、ジャンプ、捻り、スタートとストップ動作での疼痛増悪が主な症状です。

FAIの病態には3つのタイプがあります。

①cam type

②pincer type

③combined type(①と②を併せ持つタイプです)

 

タイプ別で、損傷する場所が異なります。

igakujyuku7-11-thumb

まずcam typeの紹介をします。

骨頭から頚部前方head-neck junctionの骨性隆起とoff-setの減少が原因で、股関節屈曲の際に形態異常の大腿骨が臼蓋前縁に衝突し、臼蓋唇や臼蓋軟骨に損傷を引き起こす病態です。

軟骨を削り取るように繰り返すので変形性股関節症になりやすいという特徴があります。

一方、pincer typeは臼蓋の後捻や深臼蓋などで臼蓋前縁の骨性被覆過剰が原因とされています。

cam typeは、若年男性に多く、頚部骨折・ペルテス病・すべり症などに発症することも多いとされています。

股関節インピンジメント(Femoral acetabular impingement)は サッカー、アメリカンフットボール、ホッケー、スケート選手に多いですが、

野球でも、バッティング 特に内野手では変な体制から捕球や送球で、股関節に過度なシェアーストレスが加わり、股関節唇が損傷されるのではないかと考えられています。

関連記事

  1. 投球動作におけるトップポジション肢位と水平過伸展に関する考察

  2. 体格と打球速度の関係性

  3. バッティングと上肢の動き

  4. 投球障害とそのメカニズム

  5. 熱効率がいいのは速筋線維?遅筋線維?

  6. 大腿筋膜張筋スティフネスに及ぼす股関節の他動的運動の影響