投球動作におけるトップポジション肢位と水平過伸展に関する考察

投球動作のコッキング期におけるトップポジションでは、肩関節内旋位を呈する場合と、外旋位を呈する場合があります。
ハイレベルな選手ではトップポジションで内旋位を呈しているとされています。

トップポジションに至る上肢の軌跡を分析することは、パフォーマンスのみならず、障害発生メカニズムの観点からも重要です。

しかし臨床では、「過度の水平伸展」に起因する投球障害肩を有する症例において、トップポジションで内旋位を呈している場合も少なくありません。
このようにトップポジションに至る上肢の軌跡を分析することは、パフォーマンスのみならず、障害発生メカニズムの観点からも重要です。
そこで今回は、テークバック動作を想定して、肩関節内旋位での側方挙上と水平伸展の関連因子について調査した文献を考察します。

①肩関節2nd肢位での肩甲上腕関節内外旋角度(肩甲骨を固定した状態で計測)。
②肩関節内旋位での側方挙上における水平伸展角度、並びに挙上角度(以下、内旋位挙上角度)、挙上時内旋角度、肩甲骨の前後傾斜角度。
②に関しては、測定姿勢は立位とし、投球動作を想定して頭部を非測定側に回旋させ、肩関節内旋位を保持した状態で、肘を90度まで屈曲しながら側方挙上を行わせた時の各計測項目を測定しました。

肩関節の構造上、肩関節内旋位でトップの肢位を保持する場合、最大挙上角度が小さい症例では水平伸展しやすく、このような症例における過度の水平伸展を防ぐには挙上に伴い肩甲骨を後方傾斜方向に動かすことができるかが重要なポイントといえます。
ハイレベルな選手はこのような肩甲骨の使い方が出来ていることが予測されます。
しかし、投球障害肩を有する症例では、トップポジションで肩関節内旋と過度の肩甲骨前傾がカップリングモーションとして起こしやすくなります。

以上のことを踏まえると、肩甲帯の機能に応じて適切なテークバック動作の軌跡は異なり、症例に応じた動作・動作改善が重要となってきます。

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